詩を味わう『ポケット詩集』 029:死んだ男の残したものは ― 谷川俊太郎

詩を味わう『ポケット詩集』 029:死んだ男の残したものは ― 谷川俊太郎

より抜粋

    「死んだ男の残したものは
    ひとりの妻とひとりの子ども
    他には何も残さなかった
    墓石ひとつ残さなかった」

以上、引用は、田中和雄 編『ポケット詩集』P128より

この詩から自分は何を感じるだろう?

戦争の悲しみ?愚かさ?

それとも感謝?

戦争という究極の決議機関によって

今の平和な地球が築かれたという感謝か?

あるいは業か

戦争という愚かな行いを通してしか

わたしたちは命の尊さを学ぶことが

できなかった歴史の事実

死が残したものは

生であった